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2025/04/17 22:50

60年代のヴィンテージ半袖スウェット。その風合いやデザインに惹かれる方も多いのではないでしょうか。特にカレッジ系のプリントの中には、「フラタニティ」に関連するものが見られます。今回は、ヴィンテージファッションとも関わりの深い「フラタニティ」についてご紹介します。

フラタニティとは?

フラタニティ(Fraternity)とは、主にアメリカやカナダなど北米の大学・大学院における男子学生の社交団体を指す言葉です。口語では「フラット」と略されることもあります。その起源は中世ヨーロッパの職人組合(ギルド)にまで遡るとも言われますが、現代では学生同士の交流や相互扶助を目的としたクラブ活動として知られています。

ソロリティとの違い
フラタニティが男子学生の団体であるのに対し、女子学生のみで構成される団体は「ソロリティ(Sorority)」と呼ばれます。

フラタニティの種類
フラタニティには、社交を主な目的とするもの以外にも、学業成績優秀者を集めたもの、特定の職業を目指す学生が集まるもの、奉仕活動を目的とするものなど、様々な種類が存在します。最も一般的なのは社交フラタニティです。

フラタニティの歴史

北米で最初のギリシャ文字を使った学生秘密結社は、1776年にウィリアム・アンド・メアリー大学で設立された「ファイ・ベータ・カッパ(Phi Beta Kappa)」とされています。当初は、大学の古典教育では扱われない議題について討論する「文学フラタニティ」でした。ファイ・ベータ・カッパは、ギリシャ文字の名称、秘密の儀式、メンバーバッジなど、後のフラタニティに受け継がれる多くの要素を取り入れました。

最初の「社交フラタニティ」は、1825年にユニオン大学で設立された「カッパ・アルファ(Kappa Alpha)」とされています。これはファイ・ベータ・カッパの習慣を取り入れつつも、友情の育成を主な目的としていました。その後、多くのフラタニティが設立され、19世紀から20世紀にかけて大きく発展しました[。アフリカ系アメリカ人学生やラテン系アメリカ人学生のためのフラタニティも設立されるなど、多様化も進みました。

ヴィンテージスウェットとフラタニティ

フラタニティのメンバーは、所属する団体のギリシャ文字やシンボルマークがプリントされたスウェットシャツなどを着用することが一般的でした。これが、ヴィンテージ市場で見られるカレッジプリントスウェットのデザインの一つとなっています。

60年代ヴィンテージスウェットの特徴
60年代のヴィンテージスウェットには、以下のような特徴が見られることがあります。

素材:
コットン100%のものが多い。

プリント:
フロッキープリント(毛羽立った立体感のあるプリント)や染み込みプリント(生地にインクが染み込んだプリント)などが用いられた。

ガゼット:
首元のV字型の当て布。汗止めや伸縮性の補強のためにつけられた。60年代には前側のみについた「前V」が多く見られるが、徐々になくなっていった。

リブ:
袖口や裾のリブが比較的長いものもある。
シルエット: 半袖スウェットの場合、裾にゴムが入っていて丸みを帯びたシルエットのものもある。

フラタニティの歴史や文化を知ることで、お手持ちのヴィンテージスウェットが持つ背景に思いを馳せ、より深くその魅力を感じられるかもしれません。60年代の半袖スウェットに見られる独特の風合いやプリントは、当時の学生文化の一端を今に伝えています。


当店にて販売中の半袖スウェット